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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
「面倒見の良い塾」
の評判は、どうすれば作ることができるのでしょうか。
口コミ・評判は自分で作らなければなりません。
勝手に自然発生するのを待っていると、
なかなか期待通りにはならないものです。
「商品」
が目に見えるビジネスはいいのですが、
塾のように商品が目に見えないサービス業は評判が作りにくいですね。
実は、評判が立つ法則があります。
「その店の中心要素を直接表すことは評判にならない」
という法則です。
ちょっと分かりにくいですね。例を挙げます。
レストランの中心要素は、
「美味しい料理」
です。
よくグルメ番組で、
「美味しいと評判の…」
と定型の枕詞がありますが、あれは嘘です。
まあ、簡単に紹介する時は、
「美味しいと評判の…」
となるのは仕方がないのですが、
実際に評判が広がるメカニズムを調べてみると、
そんな直接的な「言葉」で伝播するわけではありません。
評判が広がる溶媒は、
「料理が美味しい具体的な理由」
です。
具体例を挙げます。
「森寿司は、その日の朝に東京湾で水揚げされた,
新鮮な魚だけを使っているから美味しい」
「ビストロクレールは、シェフがイタリアで10年修業し、
現地の三ツ星店のシェフを務めていた人だから美味しい」
「ル・シエはフランスから空輸した食材だけを使っているから美味しい」
以前、問題になった食品偽装の件を見ても分かるように、
ごく一般の人は自分の味覚に自信がありません。
そのため、自分が美味しいと感じる料理を、
無条件で人に勧める自信もありません。
そこに何か、客観的な根拠を必要とするのです。
「新鮮な魚」「本場での修行」「空輸された現地の食材」
がそれです。
有体に言えば単に、
「美味しいよ」
と言った自分の味覚を誰かに否定されるのが怖いのです。
だから、客観的な事象を伝えようとします。
「新鮮な魚」
「本場での修業」
「空輸された現地の素材」
は、誰もが認めることが出来る客観的事実です。
この、
「事実」
が重要なのです。
塾の評判も同じ理屈が働いています。
塾の中心的要素は、
「成績向上」
と、
「志望校合格」
にあることを否定する人はいないでしょう。
ところが、レストランの時と同様に、
「成績の上がる塾」「志望校に合格させる塾」
という、
「言葉」
は、なかなか広がりません。
そこに、それを担保する客観的理由が必要なのです。
「あの塾は○○だから成績が上がる」
の○○が明確になってはじめて、
「あの塾は成績が上がる」
という評判は広がります。
単に、
「成績が上がる」
と友人に勧めて、その友人の成績が上がらなかったら…
という不安があるのです。
しかし、○○という客観的事実があれば、その不安が解消されます。
少なくとも、誰かに勧めるハードルは低くなります。
「あなたの塾の特長は何ですか?」
という質問に、
「成績が上がることです」
と答えている塾は、評判を拡げることが出来ないのです。
残念ですが…。
塾は、その○○という具体的、客観的事実を提示しにくい構造をしています。
もし、ここを明確に訴えることができれば、一人勝ちでしょう。
少なくとも「評判」の分野では。
このコラムで、早朝特訓、テスト対策授業、電話訪問、手紙…
様々な具体的事例をお話してきたのも同じです。
「○○だから面倒見がいい」
の○○がどうしても必要なのです。
さて、あなたの塾の○○は何ですか?
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝