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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
別に執筆しているコラムでも書いたのですが、
7月11日(金)放送のテレビ朝日、
「報道ステーション」
にビデオ出演しました。
前日まで出張に出ていた私は、数日ぶりに事務所で執筆をしていました。
そこに一本の電話。
「報道ステーションの○○ですが、ベネッセの顧客情報流出問題について…」
-こうした電話取材はたまにあることです。
聞かれるままに答えて電話を切りました。
一時間後、再び電話が鳴ります。
「コメントを映像でいただきたいのですが…」
-断る理由もありませんので了解すると、
「今から東京を出ますので、午後7時前には伺います」
とのこと。私はてっきり地元の系列局である、
「メーテレ」
から来ると思っていたのでビックリしました。
6時半過ぎに3人のスタッフが訪問し、打ち合わせもそこそこに撮影開始。
7時20分には撤収という手際の良さです。
「これから編集して今日の放送で使います」
そう言い残して去って行きました。
実際に使われたのは30秒弱。
正直、あの程度のコメントならば、
わざわざ名古屋まで足を運ばなくても
東京近辺在住の専門家で充分だったはずです。
それでも彼らは名古屋までとんぼ返りで来た…
ほんの少しでも良いコメントを求めて。
神は細部に宿る。
この紙上セミナーでも何度か使用した私の大好きなフレーズです。
あらためて、その意味を噛みしめます。
定評のある旅館へ行くと、そこかしこに花が飾られてあり、
「書」
が掛けられています。
そんなところ、誰も見ないだろうと思われるところまで、
毎日清掃しています。
そこに妥協はありません。
しかしこれらは、極めて重要なことです。
花や書をまじまじと見る客は少ないでしょう。
しかしそれらは確実に見えています。
意識して見た情報は健在意識に収められます。
意識しないで見えた情報は潜在意識の中に収められます。
この潜在意識が、
「何となく居心地がいい」
の、
「何となく」
を醸成します。
理由はハッキリとしないが何となく居心地がいい、
何となく居心地が悪いと感じることがありますよね。
この、
「何となく」
は、潜在意識が感じています。
細部まで手を抜かないことが、この、
「何となく」
を作り出しているのです。
実はもうひとつ、重要なことがあります。
「これくらいはいいだろう」
と細部を軽視していると、
その、
『細部の範囲』
が無意識のうちに拡がって行くのです。
細部が潜在意識に作用するとするならば、
この妥協の範囲も潜在意識の中で拡がります。
これは自戒を込めてお話するのですが、
私は月に10本近いコラム(文章)を書いています。
出張と締切が重なると夜中の作業になります。
たいていの場合は、完成した文章を読み直し、修正し…
いわゆる推敲作業をします。
ところが時に、忙しさを言い訳にしてこの作業をサボることがあります。
そうして作られた文章は、きまって恥ずかしい出来栄えになっています。
読者の方は気付かないかもしれませんが、私には分かります。
そして、こんなことを続けていたら、いつか読者に見捨てられると恐怖します。
「神は細部に宿るの意味を噛みしめる」
と前述したのは、まさに自らを自戒してのことです。
さて、あなたは、
「面倒見の良い塾」
を目指しています。
どこかに、
「これでいいか」
という妥協が生じていませんか?
妥協という負のノームは、確実に潜在意識を侵食します。
「これくらい、今、片付けなくてもそのうちに…」
と考えている人の部屋は、
いつしか足の踏み場もないほどに雑然としていくものです。
そんな状態で、
「面倒見の良い塾」
と主張しても通じないでしょう。
塾の特長とは(
「面倒見の良さ」
に限らず)妥協なきところに作られます。
「そこまでやるか」
と思わせて、いえ、そこに気付かれなくても、
「やり続けるところ」
に特長は生まれます。
相手の潜在意識に届いてやっと、特長と意識してもらえます。
私が再建に関わっている某塾の例です。
テスト対策授業を、午前9時~午後6時まで実施しました。
聞けば、4名の生徒が部活の試合を理由に欠席したそうです。
正当な理由です。
しかし、私は心を鬼にして?塾長に言いました。
「なぜ、その4名のために夜に対策授業を実施しなかったのか!」
たった4名のために休日の夜をつぶすのは辛い。
それは重々承知しています。
塾人にも日常があります。
プライベートの生活があります。
ましてや、夜まで授業を予定しても、
試合疲れで参加しない生徒がいるかもしれない。
それでも…
面倒見の良い塾の評判を作ることは、
「これ以上は無理だ」
と思ったところから一歩、
必死の形相で踏み出すことでしか実現できないのです。
その時はじめて、細部に鎮座している神が、あなたに微笑むことでしょう。
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝