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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.24

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2014.9月号‐面倒見の良さで地域№1になるために23‐

「面倒見の良さ」

をカリキュラムの中でどう表現するか。
これは全ての塾にとって永遠の課題でしょう。


例えば個別指導塾の場合、

「事前に連絡があれば振替える」

というシステムを採用しているところが多いでしょう。
また、その振替を、

「一か月以内に」

と期限を定めている塾も見掛けます。
もちろん、無断欠席の場合まで振替をする道理はありませんし、
ズルズルと振替を先延ばしにすると指導効果が薄れるという理屈も分かります。ただ、こうしたシステムの場合、
振替ができないままウヤムヤになってしまうことが発生します。
何より、

「面倒見の良い塾」

という印象を与えることはできません。

 

個々の事情はよく分かります。
講師:生徒=1:2で個別指導を行っている塾では、
振替に、

「人件費」

が発生することが避けられません。
生徒が勝手に休んだことに対して、
塾が少なからぬ経費を負担しなければならないのを、
理不尽に思うのは当然です。
しかし…


それでも何らかの工夫をしなければならないのが塾経営です。
ひとつ、私が現役の塾経営者だった時に実施していたアイディアを紹介します。私も個別指導の塾を運営していました。
教室長だけが社員で、現場の講師は全てアルバイトです。
時給は1,200円~3,000円。
もし1コマ(90分)余分に働いてもらうと、2,000円以上の出費です。
そこで当塾では、

空席があれば、そこで振り替える」

というルールにしていました。
そして、空席がなかったり、あっても生徒の都合と合わない場合は、

土曜日の夜に3時間を設定をしている、

「補習タイム」

に来てもらうようにしていました。
この補習タイムは社員教師1人で運営します。
新たな人件費は発生しません。


「補習タイム」

はもともと、宿題を忘れた生徒、
チェックテストに不合格だった生徒のための時間です。
当然、通常授業のような定員はありません。
それでも、通常90分のところを倍の180分対応することで了解を得ていました。


個別指導の場合、塾での学習時間が短いため、
どうしても家庭学習の充実が欠かせません。
宿題をやってきてもらうことは必須です。
ところが現場のアルバイト講師は、そこまで意識が高くありません。
平気で、


「宿題を忘れてきたの?仕方がないなあ、じゃあ今からやって」

 

と言ってしまいます。
これでは学習効果がありません。
宿題を忘れた場合は、その分、

「補習」

を義務付けることです。
すると、別日に通塾することを嫌がる生徒は宿題を忘れなくなります。
また、チェックテストに対する対応も必要です。
不合格だった場合に適切な対応を取らないと、
チェックテスト自体が有名無実になってしまいます。
土曜日の補習タイムは、チェックテストの不合格者に、

合格するまで再テストを実施する時間」

でもあります。

 

私は、こうした時間を設定することをお勧めしています。

「宿題忘れ」「チェックテスト不合格」「遅刻・欠席」

に対応する時間です。
人件費の高騰を防ぎながら、

「面倒見の良さ」

を実現するには、こうした対応が必要でしょう。


個別指導・自立学習指導の場合は振替が可能ですが、
集団指導となれば振替はできません。
これまでは宿題を伝えるくらいの対応がせいぜいです。
授業を撮影し、欠席者にはビデオを提供できればいいのですが、
設備投資の関係で中小・個人塾には導入が難しいことでした。
ところが現在、そうした機器が廉価で入手できるようになっています。
ある機種の室内カメラを購入すると、
パソコン内に映像データを取り込むソフトが付いてきます。
設置・配線さえ自力でできれば、カメラひとつ2万円弱で購入可能です。
そうした工夫をすれば、まだまだ中小・個人塾にもできることがあります。


もちろん、ここでご提案したことは1つの例に過ぎません。
他にも私の知らない優れた対応法があることでしょう。
お伝えしたいのは、


「…だから仕方がない」


で済ましてはいけないということです。
何かできることはないか、そうした意識で考えれば何か見つかるものです。
諦めずに探し続けること…
それが、

「面倒見の良い塾」

の第一条件だと私は思います。

「わが子のために、諦めずに行動してくれる塾」

保護者は必ず支持してくれるはずです。

 

塾にとって後期が始まりました。
秋の頑張りが来春の集客に直結します。

「諦めずに」

頑張って下さい。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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