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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.30

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2015.4月号‐子どもをやる気にさせる地域№1塾になるために5‐

集団指導のモチベーションの上げ方についての話を続けます。

先月号で授業のシナリオ作りが不可欠だという話をしました。
シナリオを作ることは大切ですが、その中身がより重要なことは言うまでもありません。
もちろん、その中身の構成に唯一の正解はありません。
百人の教師があれば百通りのシ
ナリオが存在することでしょう。
その中のどれが一番優れているかと順位付ける
ことはできません。
しかし、明らかな間違いは指摘することができます。
授業の
目的である2つの要素を満たすことのできないシナリオは間違いです。
その2つ
の要素とは、

「知識・技量を伝授すること」

「小さなモチベーション(動機付け)を提供すること」

です。
前者については無理・無駄のない講義のスキルUPが必要ですし、
後者に関してはエンターテイメントに通じるパフォーマンス能力が必要です。
授業スキルに関しては、私は門外漢ですし、このセミナーのテーマとは外れますので割愛します。

「生徒に小さなモチベーションを提供する方法」

を考える前に、生徒のモチベーションを減退させる授業を指摘しておきましょう。
まずマイナス要素を排除することが授業改革の第一歩です。
声の出し方や板書の方法等、授業スキルに関することは,
(前述の理由で)割愛し、シナリオに関することだけお話します。
多くの教師が気付いていないのですが、
生徒がモチベーションを下げるのは演習時間です。
言うまでもないことですが、授業は講義と演習で構成されています。
どちらも不可欠な要素です。
ところが、多くの授業が、

「長すぎる演習時間」

を設定しています。
演習は必要な時間ですが、同時に、生徒にとっては、

「つまらない時間」

であることも確かです。
長すぎる演習時間は、できる生徒にとっては空き時間が多くなり、
できない生徒にとっては苦痛の時間が続くことになります。
どちらにしても無駄な時間が生じます。
あまり長い演習時間は避けることをお勧めします。
シナリオを作っていないと、どうしても演習時間に逃げる傾向が強くなります。
そうすると、生徒のモチベーションが下がる一方になります。
できる限り短い演習時間で収められるよう、授業を工夫してください。
(基本、演習は家庭で行わせる方向で考えましょう)

もう1つ、生徒のモチベーションが下がる時があります。
宿題が出される瞬間です。
塾が好き、先生が好きという生徒は大勢いるでしょう。
しかし、宿題が好きという生徒は皆無です。
だからと言って、宿題を出さないわけにはいきません。

あなたは、どんな形で宿題を提示していますでしょうか。

 

「じゃあ、これで授業は終わるけれど…宿題はワークの10ページから13ページ、
あっ、次のエクササイズもできるな。
14・15ページのエクササイズまで宿題な」

 

「え~」
「うるさい、うるさい。ちゃんとやって来いよ。はい、授業終了~」

 

こんな宿題の出し方をしていないでしょうか。
これではモチベーションを下げたまま生徒を帰宅させることになってしまいます。

シナリオができていて、その日の内容が事前に確定していれば、
宿題も事前に確定できるはずです。
それならば、宿題を提示するタイミングも授業終了時でなくて大丈夫ですよね。
例えば、例題を解説し、練習問題を演習させた後で次のように言うことも出来ます。

 

「よし、では10ページの5番と6番を宿題にするから、
これは今日帰ったらスグにやってくれ。
せっかく解き方をマスターしたので、今日中に確かなものにしたいんだ。
これだけは今日、やっておいてくれ」

 

どうでしょう。
これなら宿題の意味も伝わりますし、モチベーションを下げた
まま帰宅させることもありません。他にも、生徒のモチベーションを下げる授業をしていないか、
ぜひ、今の授業内容を見直してください。

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)

森 智勝

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