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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
私が「授業の予習をしましょう」と言うと、「いや、もう何年も教えています
ので、分からない問題などありませんよ」と答える塾教師がいます。
そんなことは当たり前です。
その「あなたにとっては当たり前に解ける問題」を、いかに分かりやすく、い
かに印象的に教えるか、そこに時間を使いましょうと提案しているのです。
多くのベテラン教師が、行き当たりばったりの授業をしています。
それでも通用する手練手管は持っています。しかし、そこに安住して工夫や研鑽を忘れた教師(塾)は、見捨てられる運命を辿ります。
本来は、年間授業回数によって1回の授業内容(範囲)は決まっているはずで
す。
それを(例えば)50分の授業で説明するときのシナリオを作らなければなり
ません。
(例)
1 フック(興味集め) 3分
2 確認テスト 5分
3 レッスン5 助動詞(mayとmust)の解説15分
3 練習問題 ワーク15ページ ②&③ 5分
4 練習問題の解答・解説5分
5 レッスン5 Part2 教科書解説 10分
6 補足説明&宿題提示 5分
7 モチベーションUPの檄 &来週の予告 2分
*フックはサッカーW杯予選の話
*宿題はワーク15&16ページ
*来週の確認テストは№22「助動詞を使った英作文」
こうした作業の中で、「何かサプライズを提供できないか」「使えるネタはな
いか」と頭を捻り、それを作成する作業をする。
そうしたことを含めて「予習」です。
いかに生徒が退屈せず、時間を忘れて集中し、充実感を持って帰宅するか。
そこに塾教師の腕が試されているのです。
塾の授業の目的(教師の使命)は、大きく分けて2つです。
1つは言うまでもなく「知識・技量の習得(伝授)」です。
これは学校教師と同じです。
塾教師には、もう1つの使命があります。
それは、生徒のモチベーションを高めることです。
授業終了後、生徒が「よし、これからも頑張ろう」とモチベーションを上げて帰っていく授業が必要です。
「あぁ、やっと終わったか。疲れた。帰ろ…」-
これではダメです。なぜなら、学校教師と塾教師は根本的な役割(仕事)が違う
からです。
学校教師の仕事は「教えること」です。
都会の学校で40人を前に数学を教えても、離島の分校で3人を前に数学を教えても、給与は変わりません。
なぜなら、「教えること」は同じだからです。ところが塾で、40人の生徒が3人になったら…給与云々の前に、塾そのものが倒産してしまいます。
塾教師は、教えることだけではなく魅力的な授業、モチベーションの上がる授
業によって、評判を作り、さらなる塾生の獲得を使命としているのです。
これも誤解を恐れずに言えば、学校教師は「生徒の成績を上げる授業」をする
必要がありません。
自分が担任しているクラスの成績によって給料が変わることはありませんし、クビになることもありません。しかし、塾教師は違うのです。
成績の上がる集団指導は、楽しくなければならない。その根源はライブ感です。
ライブ感の正体は、臨場感と当事者感だと言いました。
つまり、この2つの条件をクリアすることが「楽しい授業⇒成績の上がる授業」への道です。
臨場感を出すためには演習時間を必要最小限まで削減することは前述しました。
演習は塾でも家庭でもできる作業です。
その時間に臨場感を持つ生徒はいません。
それを前提として次のことを心掛けてください。
臨場感という言葉は、ドラマや映画を評する時に使われます。
その源は視聴者の感情移入です。
自分がその場にいるような錯覚を起こさせることです。
塾の授業は文字通り、生徒は「そこにいる」のです。
ところが、授業に感情移入できない生徒が多い。言葉を変えれば「授業に集中していない」。
大きな原因は2つです。
1つは、集中する準備が出来ていないまま、授業に突入してしまうからです。
教室に来た生徒は授業前、友達とペチャクチャ話したり、もしかしたら漫画や
ゲームに夢中になっていたりします。
それなのに、教師が入室するとスグに、「は~い、ワークの24ページ開いて~」と授業を開始しても、生徒は準備が出来ていません。
下手をすると中には、「切りのいいところまで…」と、漫画を読み続けている生徒がいるかもしれません。
まず授業に集中させる工夫をすることです。(次回へ続く)
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝