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小笠原先生の
「明日の空(Tomorrow’s sky)に向かって」35

小笠原先生のコラム

小笠原先生 小笠原 隆政(おがさわら たかまさ) <プロフィール>
塾ミシガン高知 代表
・1985年 米国ミシガン大学の語学理論を用いた英語・英会話教室を開設
不変の語学理論(聴・話・読・書)の応用実践教育を展開
学習時間が自由に選べてキャンセル、変更が自由にできるチケット制を導入
・2004年 英語教室では大変成果があがり、多くの方に切望されていた総合塾に改編
パソコン教材も導入し、他の科目も語学理論に沿って立体的に応用指導
・2015年 教室創立30周年名大SKY連載コラム「明日の空に向かって」の執筆開始
教室が英語の四技能を測れるCBT検定の「GTEC」検定会場に認定される
大きな塾よりは自分の目の届く範囲での直接指導塾にこだわって経営している

 一月、新年の始まりですが私たちは、これからが追い込みの勝負の時期です。中学入試から大学受験まであるこの時期は、塾にとって大変な時期ですから、私たちの本当の年明けはそれらすべてが終わった、四月一日かもしれません。

 

 でもその結果を見届けても、ゆっくりもできないのが塾業です。なぜなら、新年度の生徒を募集と準備をしなければいけません。四月になってさぁ募集では、全く新年度には間に合いませんから、早いところは一月明けからもう新年度生の募集を始めます。やはり小学生が欲しいと大手の総合塾では考えるそうで、それにはどうしても、中学受験をやらないと生徒は集まらないと、塾経営者は話します。なぜ小学生を集めたいかと聞けば、中学・高校と来てもらえれば、生徒の募集の手間が省けるというものでした。なかなか合理的な考えではありますが、現実はそうはうまく運びません。経営的な理由で生徒を集めても教務的な実績がなければ、たぶんその経営方針は叶わないでしょうから、本当にむずかしいと思います。また結果が分かって募集をするとなると、中学受験、高校受験そして大学受験は同じ受験でも時期も性質も全く違うものですから、今それらを全部網羅して生徒を集め、それぞれの受験で合格者を出して健全経営している塾は、やはり塾としてはすごいと思います。

 

 最近少しでもそうした経営戦略を有利に進めてゆくために、塾業界では今、多くのM&Aが行われています。大手が狙うのは進出してない地方で、そこそこの規模で経営されている中小の塾のようです。その地方でゼロから塾を始めるよりは、手っ取り早くその土地に進出ができます。あるいは試験的にその土地で流行っている教室と同じ校区に、少し安い値段で同じような教室を出す戦略から始める、大手塾もあるようです。
 そのような大手の手法と私の塾に対する考え方は、かなり隔たりがあるように思いますが、私が一番違うと感じるのは塾の存在を利益目的に第一に考えるか、生徒第一に考えるかだと思います。塾を始めて生徒が増え講師や職員が増えれば、その人たちの生活を第一に塾長は考えなければなりませんから、利益追求は一番大事な目的になります。でも塾を始めたその塾長は、人の生活の面倒を見るために、塾を始めたのではないと思うのです。

 

小説「みかづき」のように、最初は損得なしで勉強に困った人がいたから、教えてあげたいと塾を始めた人もいるでしょう。私は常に自分のその原点を忘れず運営してきました。それはあくまで「私、小笠原隆政」がやっている塾に、わざわざお金を出して通って来てくれるのですから、私の責任として私が直接監督指導できる人数の規模でやっている事です。もちろん経費も掛かりますし、責任追行のために月謝はいただいていますが、利益はあくまで生徒の後についてくるものだと、私は考えます。保護者への対応も進路指導も、常に私が直接しっかりやっています。

 

 山口県萩の松下村塾も、あの狭い畳の部屋で吉田松陰が直接全員に監督指導していたから、名だたる多くの人材が育ったのだと、私は確信しています。皆様も今一度、塾を始めた原点を思い返してみられては、いかがでしょうか。

 

To be continued・・・

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