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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
コピーライティングは様々な場面で必要なテクニックですが、詰まるところ「あなたの理念を伝えること」が目的です。たとえそれが「講習案内」でも「保護者会のお知らせ」でも、そしてチラシでも…。そうした様々な場面で「あなたの理念」が感じられ、「こんな人に自分を(我が子を)指導してもらいたい」と思ってもらうことが重要です。文章だけでなく、説明会等の口頭(スピーチ)でも必要なテクニックです。
今回は、そうした「理念」を直接伝えるときの「例」をいくつかご紹介します。もちろん、こうした命題に正解は存在しません。どんなに正しい(と思っている)意見でも、相手(聞き手or読み手)が「なるほど、そうですよね」と共感してくれなければ意味がありません。コピーライティングのテクニックは、あなたの理念を正しく伝え、共感してもらうために必要なのです。ぜひ、参考にしてください。
1 なぜ勉強しなければならないのか
人はなぜ、勉強しなければならないのでしょう。多くの人は言います。「幸せに生きるためだ」と。間違ってはいないのでしょうが、私は違和感を覚えます。「幸せに生きること」は目的ではなく権利だと考えるからです。人は誰でも幸せに生きる権利を持っています。ただ、権利を行使するためには、一方にある義務を果たさなければなりません。その義務とは…青臭い言い方ですが、私はそれを「世のため人のために生きることだ」と考えます。世のため人のために生きる人は、それだけで幸せに生きることが出来ます。お父さんもお母さんも、誰かの幸せのために生きていますよね。家族のため、顧客のため…誰かの笑顔のために働いているはずです。そして子供たちにも、そんな大人になってほしいと望んでいるはずです。私も同じです。
世のため、人のために生きるには、そうした「人の役に立つ能力」が必要です。だから子どもたちは今、勉強をしなければならないのです。
10年前の東北大震災では、不幸にして二万人の方が亡くなりました。私は声を大にして子供たちに訴えます。「君はあの二万人を救えなかった。しかし、未来の二万人を救う人になるんだ! そうした人になるために今、勉強しているのだ」と。
2 夢は諦めなければ叶う?(1)
「夢を持とう」「夢は諦めなければ必ず叶う」-無責任な大人は言う。そんなのは嘘だ。そう簡単に夢は叶わない。
君が神様になったとしよう。君の手には「幸運の矢」が握られている。それを誰に放つだろう?
夢だけは持っているが、何の努力もせずに僥倖を待ち続けている人に矢を放つだろうか? 報われないかもしれないが、それでも苦しい努力をただひたすらに続けている人に向けて矢を放つのではないか。
そう、夢はひたすら努力を続ける者だけが叶えることができるのだ。
受験は君にとって人生最初の分岐点であり、試練だ。そこから逃れて楽な道を選んだ者に、幸運の矢は当たらない。〇〇塾は、今から受験に向けて努力を続ける覚悟を持つ受験生を心から応援する。
「神は自ら助く者を助く」のだ。
3 夢は諦めなければ叶う?(2)
あなたの夢は何だろう? 憧れのサッカー選手が、野球選手が、オリンピックの金メダリストが声を揃えて言う。「夢は諦めなければ必ず叶う」と。本当にそうだろうか。
「ゆめ」と読む漢字は「夢」以外に、実はもう1つある。古い言い回しだが、「ゆめゆめ忘れることがありませんように」と言う時の「ゆめゆめ」を試しにパソコンに入力して変換してほしい。「努々」と変換されるはずだ。つまり「ゆめゆめ」とは、「一所懸命に努力して」という意味である。もちろん、名詞ではなく副詞なのだが、私は何か暗示的なものを感じる。
夢は努力しなければ叶わない!
そう、夢は諦めなければ必ず叶うのではなく一所懸命の努力の末に叶うものではないだろうか。
あなたが抱いている将来の夢、それがプロ野球選手だろうが医者だろうが、けっして何の努力もせずに叶うものではない。日々の努力の積み重ねの先に掴み獲るものなのだ。
勉強をすることは、あなたにとって辛くつまらない作業かもしれない。しかし、人の能力を伸ばす訓練とは元々、そうしたものなのだ。プロ野球選手も医者も、辛くつまらない作業を積み重ねて今の立場を獲得してきたのだ。楽をして掴める夢などない。
4 夢と志(こころざし)
今、子どもたちに必要なのは志(こころざし)だ。夢とは自分の理想であり、希望であり、自己実現である。志とは社会(他者)に対する思いであり、貢献であり、使命感である。例えば、「人の命を救いたい(志)から医者(夢)を目指す」のだ。
そして、多くの子どもたちは夢と志をちゃんと持っている。
あの東日本大震災の現実に触れた子供たちの多くが、「自衛隊員になりたい」「警察官になりたい」「救急隊員になりたい」「看護師になりたい」・・・そう宣言した。大きな志に衝き動かされて。
夢を現実のものにするためには、長く苦しい過程を経る必要がある。それゆえ、志のない夢は儚(はかな)い。夢のない志(「人を助けたい」「世界を平和にしたい」)は寝言と一緒だ。
君の夢を実現するためにはどうしても苦しい勉強が必要だ。本当の喜びとは、そうした苦しい日々の向こう側に存在する。そして、それを支えるのは君の気高(けだか)い志なのだ。