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2023年6月号 小笠原先生の「明日の空(Tomorrow’s sky)に向かって」103

小笠原先生のコラム

小笠原先生 小笠原 隆政(おがさわら たかまさ) <プロフィール>
塾ミシガン高知 代表
・1985年 米国ミシガン大学の語学理論を用いた英語・英会話教室を開設
不変の語学理論(聴・話・読・書)の応用実践教育を展開
学習時間が自由に選べてキャンセル、変更が自由にできるチケット制を導入AA
・2004年 英語教室では大変成果があがり、多くの方に切望されていた総合塾に改編
パソコン教材も導入し、他の科目も語学理論に沿って立体的に応用指導
・2015年 教室創立30周年名大SKY連載コラム「明日の空に向かって」の執筆開始
教室が英語の四技能を測れるCBT検定の「GTEC」検定会場に認定される
大きな塾よりは自分の目の届く範囲での直接指導塾にこだわって経営している

 

コチラからコラム103号-2023年6月-を動画でご視聴いただけます

 

投稿BOXに、ある塾長から相談メールをいただきました。
今までとはジャンルの違う内容です。

「デジタル教材や機器を導入し今風の授業に勢力的に対応してきたけれど、コロナ禍の影響で募集は思う様にならず、公的融資を受け資金繰りを行ってきたが、先を見越しても融資の返済も始まり厳しい経営だけで、塾業にあまり将来性は余り無いかもしれないと思えはじめ、塾業からの撤退も考え始めている」

という相談でした。

その発端はある塾教材のデジタル教材研修を数年前に受けて、これからはこういう時代だからと感じて導入したようです。10年ほど前に脱サラで始めた塾のようで、最初数年間は生徒も増えて講師も増員し順調に回っていたようですが、やはりある程度の規模になると経営だけで塾長は忙しくなり、塾講師の管理や募集にさえもあまり手が回らなくなったとか。そんな事もあり人件費を削るべくデジタル教材や機器を導入したようですが、不慣れの為かなかなか思う様には講師のオペレーションが進まず、コロナ禍で塾生の減少もあり減らした講師にも賃金が払えなくなり、融資を受けたそうです。コロナ対策の優遇措置でその時は良かったようですが、2年目になりいざ返さなくてはならない時期が近づいてくると、塾経営に不安しかなくなったとか……

そんな中で昔のサラリーマン時代の知人が独立するので「一緒にやらないか」と誘われたようです。よく知っている元同僚で、仕事内容もある程度分かっているので今かなり考えているとの事、相談された私もただ話を聞くだけでした。ご本人も最後は自分が決断するしかないという事は、分かっているのです。ただ私は「塾は始める時以上に閉める時が大変という事は覚えておくことです」とだけ伝えるとその方はかなり驚いていました。確かにいきなり今いる生徒や講師を放り出すことは、その塾長の今後の信用に大きく響きますし、後始末が悪ければその地区にいられなくなってしまいます。しかし、そんな事は考えていなかったようなのです。10年近く塾を経営している塾長は、その地区では名前も素性も分かっているでしょうから、下手な終わり方はできないでしょう。その塾長がこれからどういう行動を取られるのか私には分かりませんが、私はそんなチャンスを潰してまで、塾を続けてくださいとはいえません。しかし、デジタル教材をうまく使えば必ず人件費はセーブできます。

塾長が1人で塾経営をやっている以上、遅かれ早かれ必ずやって来る問題です。元気で経営がうまく行っている時は考えない事かもしれませんが、必ず「閉めるその時」はやって来るのです。民間保険の年金や老後の貯蓄なりをそれなりに用意しておく必要も感じます。でも塾をバリバリやっていて突然、脳血管疾患で倒れて亡くなった塾長も昔いました。かなり人気がありましたが塾はすぐに閉鎖になりました。そうならないように、日ごろの健康管理も大切な塾長の責任任務だと思います。

追伸)新年度に入り数名の新入生が入ったとか、講師は自分一人ではやはり何かの時に不安なので、1名は残したそうです。尚、知人からの誘いはまだ考慮中とのことでした。

名大SKYコラム担当 塾ミシガン高知 小笠原隆政

 

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