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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
「面倒見の良さ」
をチラシ・ホームページで伝えるためには、
何が必要でしょうか…アナログです。
もともと、
「面倒見の良さ」
とは暗黙知の領域です。
全ての価値は2つに分類されます。
形式知と暗黙知です。
形式知とは、お金を出せば誰でも入手できる価値のことです。
例えば、
「イチローのバッティング理論1,560円」
の指導書は形式知です。
1,560円を支払えば誰でも手に入れることができます。
ところが、その本を買った人がイチローと同じようにヒットを打てるか?
と問えば、残念ながら、
「否」
です。
イチローには、
「イチローにしかない能力」
があります。
それが暗黙知です。
形式知はお金を出せば誰でも入手できる価値ですが、
入手した瞬間から価値が低下し始め、いつか0になります。
例えば車、コピー機、パーテーション等が経理上、
減価償却されることがそれを示しています。
ところが暗黙知とは、
価値が上昇することはあっても基本的に減少することはありません。
あるとすれば、その所有者が努力を怠ったときです。
イチローが練習をしなくなれば、
イチローの持つバッティング能力はみるみる低下することでしょう。
「面倒見の良さ」
という暗黙知は、人という究極のアナログの中に存在する価値です。
そう思い至れば、いかにシステムを訴えても、
教材・カリキュラムの素晴らしさを強調しても、
面倒見の良さは伝わらないことが解かります。
この夏、とある塾のチラシ(夏期講習用)を作成しました。
その塾は塾長が30年以上経営する地元では老舗の個人塾です。
しかし地域の過疎化が激しく、
地元の中学校は学年30人しか在籍しないという有様です。
当然、塾生数も減少の一途を辿っていました。
その塾のチラシはこれまで、学習システムを強調する内容が主でした。
それを、塾長の顔写真を大きく掲載し、
メッセージ性の強いチラシに変えたのです。
すると…昨年は一人しかなかった申し込みが、
今年は早々と10名の外部講習生が集まりました。
塾長からの報告メールです。
「○○教室の問い合わせ&入塾が、このところ毎日のようにあり、
既に10名夏期講習受講決定です。
(大半が元教え子の子供達や友達紹介者&卒業生の弟と妹)
ちなみに、昨年度夏は1名でした。(中略)」
「それにしても今夏嬉しいのは、
僕がバリバリの頃に学習指導させていただいた生徒が親になり、
その子供達を連れてくることです。
森先生が僕の顔写真を大きくチラシに載せられたので、
「あれっ、塾長先生まだ元気に指導していたんだ!」
と、気付かせたようです。
特に嬉しかったのは、当時の生徒の母親が
「娘が今夏結婚しまして、今、○○病院に勤務しています」
と言って、結婚式の引き出物を持って来てくれたことでした。
(メール報告抜粋)
これが、
「暗黙知」
の力です。
長年、地域に貢献してきた先生の評判の力です。
しかし、今までは奥床しいチラシを制作していたので、
その力が発揮できていませんでした。
「森先生が僕の顔写真を大きくチラシに載せられたので、
『あれっ、塾長先生まだ元気に指導していたんだ』
と、気付かせたようです」
は正しいと思います。
きっと、懐かしい塾長の顔写真を見て、
熱心に指導してくれた遠い昔のことを思い出した方が多かったのでしょう。
こうしたアナログの中に、
「面倒見の良さ(のイメージ)」
は存在します。
決して言葉で、
「当塾は面倒見がいいです」
と訴えても伝わりません。
どうぞ遠慮せず、ためらわず、あなたの塾の信頼と実績を売ってください。
顔と名前を堂々と出すことです。
中小・個人塾の暗黙知の一番は、塾長そのものです。
大手塾出身生が3年後、懐かしくなって教室を訪ねても、
知っている先生は一人もいません。
しかし、あなたの塾には必ず、
『あなた』
がいます。
あなたは3年後も10年後も、
『そこ』
にいます。
それは大きな暗黙知です。
「面倒見の良さ」
は、そうした暗黙知と共に伝わるのです。
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝