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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
「ビジネスにおいてコミュニケーション能力は最重要だ」
マーケティングの定説です。
「客」
の存在を必要としないビジネスはありません。
ならば、客とのコミュニケーションが重要なことは言うまでもありません。
ところが、
塾業界ではコミュニケーションを軽視しているところが少なくありません。
原因の1つは、
「自分の仕事は教科を教えることだ」
と思っているからです。
学習指導にコミュニケーションは必要ありません。
双方向のコミュニケーションが不可能な映像教材の存在を考えれば解かります。
しかし、教えることは塾の仕事ではありません。
それは業務です。
映像教材でも代替が可能なものです。
もし、あなたが、
「自分の仕事は教えることだ」
と考えているとすれば、
それは映像教材程度のことしか実行していないことになります。
(大抵の場合は、映像教材以下になっています)
もう1つの原因は、そもそもコミュニケーションの意味を、
間違えて捉えていることです。
辞書を引けば、
「コミュニケーション=互いに意思や感情、思考を伝え合うこと」
と定義していることでしょう。
しかし、ビジネスにおけるコミュニケーションとは、
「意思や感情、思考を伝えて、相手に自分が望むように行動してもらうこと」
です。
なぜ、
「勉強しなさい」
と言うのでしょう。
相手に勉強してもらいたいからです。
ただ言うだけで終るのでしたら、それはコミュニケーションではありません…
インフォメーションです。
生徒の自宅に電話訪問する場合も、
そこに明確な意図がなければなりません。
もちろん、
「生徒の塾での様子を知らせる」
という一義的な目的は存在しますが、
保護者にそれを伝えることでもっと大きな目的、
そう、
「面倒見の良い塾」
という印象を持ってもらうことが重要なのです。
それが果たされてはじめてコミュニケーションと言えます。
ならば、どれくらいの頻度で、どんな話題を、
どれくらいの時間掛けて実行すべきか…
そうした事前の準備が必要なことが分かります。
あなたが塾生に対して、保護者に対して発する言葉、
文章等は全てコミュニケーションでなければならないのです。
例えば、
「冬期講習の案内」
をなぜ出すのか。
言うまでもなく冬期講習を受けてほしいからですね。
それなのに、インフォメーション的な案内を出している塾があります。
A4版一枚に、
「(定型のあいさつに続けて)さて、
今年も下記の要領で冬期講習を実施します。
受講を希望される方は、申込み用紙を〇月○日までにご提出ください」
と、定型の案内で済ませているのです。
この案内を見た母親の感想は想像がつきます。
「また、お金が掛かる」
…コレです。
受講率が上がるはずもありません。
そして何より、この案内を読んだ保護者が塾に対して、
「面倒見がいい」
という感想(イメージ)を持つ可能性は皆無でしょう。
以前もお話しましたが、授業内の面倒見の良さは伝わりません。
保護者は実際の授業を受けていませんし、たとえ面倒見良く指導をしていても、
「それは塾として当たり前」
と思われるだけです。
授業というコア以外の部分に、
「面倒見の良さ」
をちりばめることです。
塾に3者面談、保護者会、セミナー、イベント等が必要なのは、
面倒見の良さを訴えるためです。
それも、
「ここまでやってくれる塾は他にない」
というレベルが必要です。
誤解を承知でお話しますが、授業に面倒見の良さは必要ありません。
授業に求められるのは成績の向上です。
成績が上がり、志望校に合格するのであれば、
どれだけ面倒見の悪い指導をしても大丈夫です。
しかし、だからと言って周辺部分に手を抜いていいというわけではありません。ここで面倒見の良さを作り出します。
そして…
その面倒見の良さを認識してもらうための手段が、
コミュニケーションなのです。
自塾の特長を、
「面倒見の良さ」
に求めるならば、コミュニケーションの方法を見直すことをお勧めします。
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝