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森智勝先生の「地域1番塾への道」vol.21

森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表
・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。
・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立
・平成18年 「全国学習塾援護会」設立
・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。
全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。
机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。

2014.6月号‐面倒見の良さで地域№1になるために20

「面倒見の良い塾」

の評判は、どうすれば作ることができるのでしょうか。
コミ・評判は自分で作らなければなりません。
勝手に自然発生するのを待っていると、
なかなか期待通りにはならないものです。

「商品」

が目に見えるビジネスはいいのですが、
塾のように商品が目に見えないサービス業は評判が作りにくいですね。
実は、評判が立つ法則があります。

「その店の中心要素を直接表すことは評判にならない」

という法則です。
ちょっと分かりにくいですね。例を挙げます。

 

レストランの中心要素は、

「美味しい料理」

です。
よくグルメ番組で、

 

「美味しいと評判の…」


と定型の枕詞がありますが、あれは嘘です。
まあ、簡単に紹介する時は、

 

「美味しいと評判の…」


となるのは仕方がないのですが、
実際に評判が広がるメカニズムを調べてみると、
そんな直接的な「言葉」で伝播するわけではありません。

 

評判が広がる溶媒は、

「料理が美味しい具体的な理由」

です。
具体例を挙げます。

 

「森寿司は、その日の朝に東京湾で水揚げされた,
新鮮な魚だけを使っているから美味しい」


「ビストロクレールは、シェフがイタリアで10年修業し、
現地の三ツ星店のシェフを務めていた人だから美味しい」


「ル・シエはフランスから空輸した食材だけを使っているから美味しい」

 

以前、問題になった食品偽装の件を見ても分かるように、
ごく一般の人は自分の味覚に自信がありません。
そのため、自分が美味しいと感じる料理を、
無条件で人に勧める自信もありません。
そこに何か、客観的な根拠を必要とするのです。

「新鮮な魚」「本場での修行」「空輸された現地の食材」

がそれです。

 

有体に言えば単に、


「美味しいよ」


と言った自分の味覚を誰かに否定されるのが怖いのです。
だから、客観的な事象を伝えようとします。

「新鮮な魚」

「本場での修業」

「空輸された現地の素材」

は、誰もが認めることが出来る客観的事実です。
この、

「事実」

が重要なのです。

 

塾の評判も同じ理屈が働いています。

 

塾の中心的要素は、

「成績向上」

と、

「志望校合格」

にあることを否定する人はいないでしょう。
ところが、レストランの時と同様に、

「成績の上がる塾」「志望校に合格させる塾」

という、

「言葉」

は、なかなか広がりません。
そこに、それを担保する客観的理由が必要なのです。

 

「あの塾は○○だから成績が上がる」

 

の○○が明確になってはじめて、


「あの塾は成績が上がる」


という評判は広がります。

 

単に、

「成績が上がる」

と友人に勧めて、その友人の成績が上がらなかったら…
という不安があるのです。
しかし、○○という客観的事実があれば、その不安が解消されます。
少なくとも、誰かに勧めるハードルは低くなります。

 

「あなたの塾の特長は何ですか?」


という質問に、


「成績が上がることです」


と答えている塾は、評判を拡げることが出来ないのです。
残念ですが…。

 

塾は、その○○という具体的、客観的事実を提示しにくい構造をしています。
もし、ここを明確に訴えることができれば、一人勝ちでしょう。
少なくとも「評判」の分野では。

 

このコラムで、早朝特訓、テスト対策授業、電話訪問、手紙…
様々な具体的事例をお話してきたのも同じです。

「○○だから面倒見がいい」

の○○がどうしても必要なのです。

 

さて、あなたの塾の○○は何ですか?

 

塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝

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