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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
生徒をヤル気にさせるのも落ち込ませるのも、塾教師の対応1つです。
生徒対応で必要なことは、叱り方と褒め方です。
この2つ(叱る・褒める)は真逆の行為のようですが、実は同じものです。
共に相手の態度変容を求める行為であり、ただ手法が違うだけです。
例えば80点を取った生徒に
「よく頑張ったな、凄いぞ」
と褒めることもあれば、
「これくらいで喜んでいてはいけない」
と気を引き締めるために浮かれている生徒を叱咤することもあるでしょう。
どちらも、生徒により良くなってほしいという願いから行う行為です。
(選択の基準は、あなたの得意・不得意[キャラ]もありますが、基本は生徒の性格によります)
褒める時に大切なのは、現象(80点を取った)だけにフォーカスするのではなく、
その背景まで認めてあげることです。
どういうことか。
80点を取ったことだけを褒めていると、生徒はこう思います。
「先生は80点を凄いと褒めてくれたけれど、
90点を取ったA君の方がもっと凄いと思っているんだ…」
現象だけを褒めていると、そう感じさせてしまうのは必然です。
また、その生徒は
「次も80点取らなければ褒められない。
自分の存在価値は80点にあるんだ」
と思い込んでしまいます。
これは教育コーチングで言われることですが、人の行動要素は3つに分かれます。
存在(being)⇒行動(doing)⇒成果(having)です。
「80点」
は成果です。
褒める場合、成果だけにフォーカスするのではなく行動・存在まで認めてあげることが重要です。こんな感じです。
「80点、凄いな。(having)
そう言えば君は授業日以外も塾にやってきて自習してたもんな。(doing)
君の頑張りがみんなの模範になっていい影響を与えてくれている。
これからもよろしくね(being)」
保護者でしたら、
「たとえ点数が悪くても、あなたは私の大切な息子だからね」
と言ってあげることです。
自分の存在そのものを認めてもらってはじめて、人は自己肯定感を持つことができます。
もう1つの手法は
「YOUメッセージ」
ではなく、
「Iメッセージ」
を伝えることです。
YOUメッセージとは、相手が主語のメッセージです。
「スゴイな」「良くやった」「頑張ったな」…
これらは全て
「あなたは」
が主語のYOUメッセージです。
多感な子供たちは、褒められると天邪鬼(あまのじゃく)になり自己否定を始めてしまいます。
「よく頑張ったな」―「そんなことないよ」
そこで、
「私」
を主語としたIメッセージにして伝えます。
「80点とってくれてありがとう。私は嬉しい」
…先生に
「私は嬉しい」
と言われて
「そんなことないよ」
と否定する生徒はいません。
自分のことで、これほど喜んでくれる人がいる…それは大きな喜びです。
プロサッカー選手が
「サポーターの声援が力になった」
と言うのは、単なるファンサービスではなく真実なのです。
あなたのIメッセージを伝えることで、生徒の心に思いは届きやすくなります。
(これは叱る時も同じです)
褒める時はhavingだけではなくdoing、beingまでIメッセージで認知してあげましょう。
それに対して、叱る時はhavingに留めなければなりません。
叱り方については次回、詳しく説明します。