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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール> 全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
成績の上がる集団指導法について話を進めています。
ちょっと誤解を招きそうですが、私は
「集団指導の弱点は切り捨てろ」
と考えています。もともと、面倒見の良さでは個別指導に敵いません。
ならば、その弱点が生じる
「個別対応」
を放棄した方がいいのではないかと考えています。
演習をさせている最中に、
生徒の机を回り、分からない生徒に対して個別指導をしている塾があります。
他の生徒は放って置かれています。
時には指導が長引いて、授業がダレてしまうことすらあります。これでは本末転倒です。
どうせ、どこまで努力をしても個別対応では個別指導塾には敵わないのですから、
スッパリと辞めてしまうことです。
必要ならば、授業とは別に質問コーナーや演習コーナーを設けた方がベターだと思います。
それよりも、授業自体は、集団指導の特性を生かしたものを目指すべきです。
集団指導塾の特性は、クオリティの高い指導を複数の生徒に対して同時提供できることです。
ですから、
「分かりやすい授業」
が必要なことは言うまでもありません。これは大前提です。
ただそれだけならば、初期の東進衛星のように、
大画面のモニターに授業を映して生徒に見させるのと一緒ということになってしまいます。
映像授業との大きな違いは
「ライブ感」です。
嵐のファンは、CDを買いながら、それでも東京ドームのコンサートに行きます。
会場は熱狂の坩堝(るつぼ)です。
演奏(歌唱)のクオリティを考えれば、スタジオ録音したCDの方がはるかに高いはずです。
それでもコンサートへ行きたがるのは、ライブ感を求めているからです。
このライブ感はCDを聞いても、コンサートのDVDを見ても得られません。
なぜなら、ライブ感とは臨場感であり、当事者感だからです。
映像教材はコンサートのDVDのようなものです。
DVDの中の松順は、自分に向かって手を振ってはくれません。
呼びかけに反応もしてくれません。
それではファンの
「満足を超えた感動」
を生むことはないのです。
ファンは、この感動を味わいたくてコンサート会場に足を運びます。
そして、その感動を一生忘れません。
理屈は塾も同じです。感動と共に得た知識・解法は忘れないものです。
集団指導塾は、このライブ感をいかに創造できるか、そこに成功の鍵があります。
なぜなら、このライブ感を創造できるのは集団指導塾だけだからです。
よく、
「個別指導塾・自立学習指導塾に通う子供はおとなしい」
という話を聞きます。私は、指導形態そのものに原因があると考えています。
元気なところを見せようとしても、
個別指導塾・自主学習指導塾では、元気を披露する場面がないのです。
ならば、集団指導塾の教師が心掛けなければならないことも自ずと分かってきます。
いかに生徒に臨場感、当事者感を持たせる授業をするか、それが重要になってきます。
「集団指導なのに個別対応ができる少人数集団クラスが上手くいかない」
と前述しました。
たとえ8人のクラスでも、誰かを個別対応している時間は、
他の7人は当事者感を持てない、それどころか疎外感を持ってしまいます。これでは逆効果です。
せっかくの集団指導の良さを消してしまいます。
実は、塾が支持される2つの大きな理由があります。
1つは言うまでもないことですが
「成績が上がる塾」です。
集団指導だろうが、個別指導だろうが、成績の上がらない塾は見捨てられます。
そしてもう1つの理由は
「通って楽しい塾」です。
塾は生徒にとって、
「家庭」「学校」に次ぐ3番目の「居場所」です。
その居場所が苦痛、あるいはツマラナイ場だとしたら、生徒は寄り付きません。
遠からず去っていきます。
(不調の個別指導塾・自立学習指導塾の原因はココにあります)
集団指導は、授業そのものに楽しさを盛り込むことに適した指導法です。
少なくとも、個別指導・自立学習指導に比べてはるかに優れています。
それなのに、ツマラナイ授業だと生徒に思われているとしたら、
その塾はやはり、遠からず見捨てられることでしょう。(以下次号)
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝