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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
チラシについての解説を続けます。前回、読者(保護者)が「!」「?」と引っ掛かるキャッチコピーが必要だと言いました。母親が「そうそう、うちの子も『4月になったらやるから』と言っているけど…」と思ってもらうために、-「4月になったらがんばる」は本当ですか?-というキャッチコピーを例に挙げました。次はリード文です。前提として、このチラシは春期募集用、2月~3月に配布するものとします。
(リード文例)「4月になったらがんばる」-この時期、多くの2年生が口にします。しかし、彼らは4月になるとこう言い出します。ゴールデンウィークが終わったら…次は「部活が終わったら…」、挙句の果ては「誕生日が来たら…」。こうしてズルズルと先送りを続け、無為な時間を費やしている生徒が何と多いことでしょうか。
こうした生徒は実は、がんばるきっかけを探しているのではなく、今やらない言い訳を探しているのです。
人は「行動することで意欲を向上させる機能」を体内に有しています。最初は無理をしてでも勉強という行動に出ることです。すると自然と意欲が生まれ、次の行動=勉強に打ち込めるようになります。〇〇塾の春期講習は、生徒の背中をグイっと押し、受験という人生最初の試練に立ち向かうための「初速度A」を創り出します。(後略)
なぜ、こうした文章が必要なのでしょうか。実は塾を探している保護者の不安の一番は、「どんな人が教えてくれるのだろう」です。大切な我が子を預けるのですから、当然の思いです。確かに、「成績が上がるか」「志望校に合格するか」も不安でしょうが、それよりも、「我が子が活き活きと前向きに受験に立ち向かってくれること」に親としては喜びを見い出すものです。そのためには、優れたカリキュラムや優れた教材以上に、信頼できる指導者の存在が必要だと保護者は分かっています。
こうしたリード文を使って、あなたの教育理念や方針の一端を披露することで、保護者は「あなたの人となり」を知り、共鳴し、信頼感を持つのです。カリキュラムや教材、時間割と授業料だけで構成されたチラシからは、「人」が見えません。大手塾ならば、その存在自体に信頼感を内蔵していますが、中小・個人塾の場合は、積極的に「人」を伝えることで信頼感を与える手法が必要なのです。もとより、生徒&保護者は学習指導の素人です。カリキュラムや教材の良し悪しを判断することはできません。だからこそ、授業料を払ってプロである塾を利用しようとするのです。いくらカリキュラムの優位性や使用している映像教材の素晴らしさを説いても、「素人である読者」には理解できないものです。
残りの紙面は、あなたの塾の「キラーコンテンツ」の紹介(お勧め)に費やします。あれもこれもと限られた紙面(B4表裏)に詰め込むと、どこに焦点を当てていいのかわからない、いわゆるメニューチラシになってしまいます。宅配ピザのチラシならば、文字通り「メニューチラシ」でいいのですが、塾の場合、チラシを見て注文するわけではありません。繰り返しますが「塾に興味を持ってもらうこと」がチラシの目的です。
今のテーマ(チラシ作り)とは外れますが、重要なことなのでお話します。
一言で「キラーコンテンツ」と言っても、全ての生徒に通用するキラーコンテンツなどは存在しません。全ての生徒に最適な塾など存在しないのは自明のことです。それはプロである「あなた」が一番分かっていることでしょう。ところが、「学校補習からトップ校合格まで」と、大きくウイングを広げている塾があります。これでは保護者から見ると、何が得意な塾か分かりません。我が子に向いている塾かどうか分からないのです。人は、分からないところには近づかないものです。
見込み客全体の約2割に絞り込み(セグメント)をした塾を作ってください。2割の見込み客に「この塾こそ、私(我が子)のための塾だ」と思わせることです。その2割の生徒のための指導法が、キラーコンテンツです。
チラシは、まだ見ぬ「あなたの塾が最も適した2割の生徒」に向けて発信する情報ツールです。(次回へ続く)
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝