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2018年 7月 3日
森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
新規見込み客の行動パターンは次の通りです。「①チラシ」⇒「②ホームページ」⇒「③電話問合せ」⇒「④面談」⇒「⑤体験受講」⇒「⑥入塾」。
今回は③の「電話問合せ」についてお話します。上記の流れの中で最も重要なのがココです。なぜなら、ココが見込み客と塾とのファーストコンタクトだからです。この電話対応が下手な塾は、みすみす見込み客を逃してしまいます。ほとんどの塾人が、面談にまで持ち込めば体験受講へ誘うのは難しくないはずです。ところが、「電話」⇒「面談」が上手くない。原因は、電話を掛けてくる保護者(たいていは母親)の心理を理解していないことにあります。
母親はなぜ、塾に問合せの電話を掛けてくるのでしょう。
「詳しい内容が知りたいから」…もちろん直接的にはそうなのですが、それ以前に、子供の勉強に関して悩みを抱えているということに思いを馳せなければなりません。そして人は、自分の悩みを赤の他人に打ち明けることに躊躇(ちゅうちょ)するものです。ですから、電話を掛けたとしても(この電話を掛ける行為自体もハードルは高いのですが…)当たり障りのない質問から始まります。こんな感じです。
母「ちょっとお尋ねしたいのですが、今度中2になるのですが、時間割はどうなっていますか?」
塾「中2でしたら、火曜日と金曜日の午後7時から9時半です」
母「授業料は…」
塾「月謝が21,000円と、別に教材費等が実費になります。また、夏期講習などは別に費用が掛かります」
母「…そうですか。では、子供と相談してから連絡します」
塾「はい、その時はよろしくお願いします。お電話、お待ちしています」
…二度と電話は掛かってきません。
母親はチラシ・HPを見ています。時間割も知っています。知っていて聞いているのです。なぜ?…いきなり悩みを打ち明けられないからです。そして二度と電話をしないのは、「この塾が自分の悩みを解決してくれる」という期待感を持てなかったからです。
塾によっては顧客情報を掴むことが重要だからと、いきなり生徒氏名や電話番号を聞くところもあります。すると、多くの母親がこんな反応をします。
「いえ、まだ塾に入るかどうか決めていないので、参考までに教えていただければと…」
そりゃ、そうでしょう。見ず知らずの人にいきなり「名前は?電話番号は?住所は?」と迫られたら、誰だって警戒します。
こんな傾向もあります。とにかく面談に持ち込みたいから、「詳しい説明をしますので一度、教室まで来ていただけませんか」と、早々に来塾を要請します。やっぱり、相手は警戒します。
では、どうするか?簡単な話です。こちらから聞いてあげればいいのです。聞かれたことには丁寧に答えた後で…
「ところで、今度中2とお聞きしましたが、部活は何をされていますか?」
こんな他愛もない話題からコミュニケーションを構築します。「サッカー部です」と答えたのなら、「それは素晴らしい。でも、○○中学のサッカー部は厳しいと聞いていますが、家ではちゃんと勉強していますか?」
「それがなかなか家では勉強しなくて…」
「それはご心配ですね~」
こうして少しずつ相手(母親)の警戒心を解いてあげます。
この母親は塾を探しています。可能性は2つです。「現在、塾に通っていない」か、「通っていても不満がある」のどちらかです。どちらにしても、次に「あなたがなすべきこと」は同じです。予想されるシチュエーションは次のパターンです。
1「塾には通ったことがない」
2「前は通っていたが、今は通っていない」
3「塾に通っているが、不満がある」
次回、具体的な電話対応について、もう少し詳しく解説します。「あなたがなすべきこと」が明らかになります。
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝