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2018年 8月 27日
森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
前号、塾に対する問い合わせの電話で、「家では勉強しなくて…」という母親の不安を聞き出したところまで話を進めました。 続きです。
問合せの電話を掛けてきた母親は、当然のことですが塾を探しています。可能性は2つです。「塾に通っていない」か、「通っていても不満がある」のどちらかです。どちらにしても、次に「あなたが為すべきこと」は同じです。
塾に通っている場合、次のパターンが考えられます。「家庭学習についての指導はない」か、「あっても、本人が守っていない」のどちらかです。大抵は前者です。「宿題は塾から出ているようですが、それ以外は特に…」というパターンです。
生徒が家で勉強しない理由(言い訳)の一番は、「何を勉強すればよいか分からない」ということです。そして、それに対して母親も明確な答を持っていません。そこに親としての悩みがあり、塾を探す理由があります。
そこで、こうした「やりとり」を経て、ある程度の人間関係を構築した後で、こんな感じで来塾を促します。
「いくら塾に入っても(替わっても)、家庭学習ができなければ効果はありません。塾に入るかどうかは後から考えればいいので、一度、本人さんと教室に来ませんか? 私でよろしければ直接、本人さんに家庭学習の方法をアドバイスします。教室に計画学習表もありますから。塾を利用するかどうかは、それから決められてもいいと思いますよ」
電話の段階で「ある程度の期待感」(この人ならば私の悩みを解決してくれるかもしれないという期待感)を提供しなければならないのです。それさえ成功すれば…100%来塾します。電話対応のキモは、情報提供ではありません。期待感の提供です。
思い出してください。電話対応の目的は「来塾を促すこと」です。期待感を持てなかった塾に、わざわざ足を運ぶ保護者はいません。
さて、いよいよ入塾面談です。ここの部分は「あなたの得意技」のはずです。相手も、「その気」がなければ教室まで来ません。
もう、来塾した見込み客を「体験受講」にステップアップさせるのは当然とします。
だからと言って、それで「よし!」とするのはもったいない。保護者とじっくり面談できる機会は多くありません。ここで、塾の(あなたの)評判を作ることです。入塾面談は、その最初にして最大のチャンスです。
まず、面談の基本的な注意事項をお伝えします。面談は塾をアピールする場であり、かつ、生徒を選別する場でもあります。
この2つの目的に適った面談を心掛けたいものです。
また、面談に来た人は有力な見込み客ではありますが、同時に別の塾にも足を運んでいると想定してください。
まず、塾をアピールすることですが、これを勘違いして一生懸命に「商品」の良さをアピールする塾長(教室長)がいますが、これは効果的ではありません。
本来、塾の本当の良さは入塾してみなければ分からないものです。
それを言葉でいくら説明しても相手に伝わらないばかりか、逆に引かれてしまいます。
あなたが紳士服売り場で売り子さんに「スーツをお探しですか。このスタイルは今年の流行ですよ。よくお似合いですよ」などと、しつこく勧められると嫌になる(購買意欲を失う)のと同じです。また、車を購買する時も、よっぽどのマニアでない限り、詳しい性能を朗々と説明されるのには閉口するのではないでしょうか。
誰もがセールスに付き合わされるのはウンザリなのです。面談をセールスの場にしてはいけません。
では、ここでアピールすることは何でしょう。なぜ保護者と生徒が面談に来ているか、塾を探しているかを再度、肝に銘じてください。次回からは「面談の極意」について説明します。
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝