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2018年 2月 6日
小田原 健一(おだわら けんいち) <経歴> 神戸の中堅塾の個別指導部門の責任者を務める。 |
<ご挨拶>
こんにちは。兵庫県で個別指導塾のコンサルタントを行っている小田原と申します。
生徒の成績も塾の経営もその本質は変わりません。
それは正しいことを、適したやり方で、必死のパッチに頑張ること。
間違ったことをどれだけ頑張っても成果は出ませんし、やり方が適していなければ成果が出るまでに時間がかかりすぎてしまいます。
原理原則を踏まえて、また会話を大切にしながら、貴塾の課題克服に貢献できればと思っています。よろしくお願いします!
公立高校入試が近づいてきました。貴塾におかれましても、中3生の最後の指導に余念がないことと思います。何とか1点でも多く取らせて上げたい!そんな思いから休日返上で頑張っておられる先生も少なくないことでしょう。寒い毎日です。お体にはくれぐれもご用心くださいね。
今月は受験生の直前指導について書きます。直前期の指導のポイントは過去問指導を充実させることです。受験指導は部活動の指導に似ています。公式戦までまだ日がある中1、中2の頃は、例えばサッカーだったらヘディング練習やシュート練習といったように、パーツごとの練習に力を入れます。そして公式戦が近づくと実戦形式の練習試合などで総合力を高めていきます。受験指導も同じです。直前期は単元ごとの学習ではなく、入試過去問を使い総合力の養成に努めることが重要です。
教材は入試問題が丸ごと1つ(1年分)掲載されていて、それを指定時間内で解くようなものがお勧めです。入試問題をばらばらにして、単元ごとに集めているような問題集もありますが、よほど成績下位者でない限りあまりお勧めしません。時間配分をどうするかといった、実戦での勘どころも合わせてトレーニングする必要があり、その為には本番のリハーサルとなるような教材が一番だからです。
過去問を解いた後の対応にも注意が必要です。『分からないところは全部持っておいで~』と声をかけると、中には間違った問題を全て質問してくるような生徒が出てきます。講師は質問対応に追われ、教室はてんやわんやになります。中には模範解答や解説がないような問題を質問に来るような生徒も現れ、その1問を教えるのに、講師はかなりの時間をかけて問題を解かなければいけない、といった状況に陥りかねません。
ただ、生徒が間違った全問題の解説をすることは本当に有益なのでしょうか。例えば60点を取る生徒に超難問を教えたところで、残念ながらきっと次も間違います。超難問は既に85点くらい取れる生徒が取り組むべき課題なのです。60点の生徒にとって重要なのは超難問を理解しようとすることではなく『+5点』を取るにはどの問題を出来るようにすべきなのかを考え、その問題を次回確実に正答することです。
生徒に『5点増やすにはどの問題を狙うべきだと思う?』と聞きます。生徒が指し示す問題はケアレスミスや勘違いで間違った問題であることがほとんどでしょう。『そうだね、そこを次に注意しようね』と伝え、どんどん過去問演習を繰り返させます。
部活動でも練習試合後にコーチは細かいミスの全てを指摘しません。それよりも今日の試合全体を通じたアドバイスを端的に伝え、次の練習試合に備えます。そして練習試合を繰り返すうちに選手たちはコーチの指示される内容を自分たちで体得でき、チームはどんどん強くなっていきます。
受験直前期の指導も同様です。分からないところの質問対応で成績が上がっていくのではなく、過去問を繰り返し、自分の弱点を自分で意識できるようになることで得点が上がっていくのです。難しすぎる問題の解き方を生徒は特に気にして、そういった問題を中心に質問が増えがちですが、『質問ではなく、過去問を繰り返すことで成績が上がっていく』ことを生徒や保護者にじっくり説明して、安定的な成績向上を作ってあげましょう。
生徒たちが栄冠を掴み取ることをお祈りいたします!貴塾にとって少しでもお役立ちいただければ幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!