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森 智勝(もり ともかつ) <プロフィール>
全国学習塾援護会 主宰、塾生獲得実践会 代表 ・26歳で学習塾設立、7教室を経営する。 ・平成14年 塾専門のマーケティング勉強会「塾生獲得実践会」設立 ・平成18年 「全国学習塾援護会」設立 ・現在、全国各地で塾経営者を対象としたセミナーの講演、スタッフ研修に奔走。 全国私塾情報センター主催の「春季大都市縦断セミナー」「地方塾セミナー」に講師として参加。 机上の空論ではない具体的な内容と、参加者にプラスのエネルギーを生じさせる講演には定評がある。今、最も支持されている塾経営アドバイザーの一人。 |
ただ単に情報を伝えるだけならインフォメーションです。しかし塾が提供する文章はコミュニケーションでなければなりません。コミュニケーションとは(あくまでもビジネス上の定義ですが)「情報を伝え、相手に(こちらが望むように)行動してもらうこと」です。前号でもお話しましたが、「夏期講習の案内」を出すのは、「夏期講習を受講してほしいから」です。ならば、「受講してもらえる文章」を書かなければなりません。ところが多くの塾がインフォメーション的文章を書いています。次のような。
(前略)今年も以下の要領で夏期講習を実施します。受講を希望される方は、申込用紙を〇月〇日までにご提出ください。(以下略)
実施要項と申込書を含めてもA4版一枚という塾もあります。こうした定型の案内を読んだ保護者の感想はほぼ予想できます。「ああ、またお金が掛かる」です。そして掲示板にマグネットで挟んで忘れてしまう…。少なくとも、「あなたの望むような次の行動」には移してくれません。
私は、夏期講習の案内の冒頭に「添え文」を書くことをお勧めしています。少しでも「この夏期講習を受けた方が良い」と思ってもらうための文章です。
[例]
中3生および保護者各位
この夏、生きる力の尻尾を掴め!
-夏期講習のご案内に向けて-
2つ下の妹が言った。
「お兄ちゃんがこんなに勉強するようになるとは思わなかった」
本人が言った。
「自分がこんなに勉強するようになるとは思わなかった」
母親も言った。
「息子は変わった」
そう、人は変われるのだ。
毎年の夏休み、○○教室の中3生は、ある意味過酷な勉強に立ち向かう。しかし、誰一人脱落することなく完走する。
何か問題が起こると「知育偏重」だの「学力優先」だのと勉強に対する批判が強くなるが、それは間違っている。スポーツにせよ、芸術にせよ、たとえそれが勉強でも、一つのことに真剣に取り組む人が、成長こそすれ曲がってしまうなどということは有り得ない。事実、君たちの先輩は真っ直ぐに成長している。彼らは受験に適う学力と、少しのことでは負けない逞しい精神力を身に付けた。
…人は変われる。
40日という時間は無駄に過ごせばあっという間だが、何かを成すには十分な時間だ。そして、人生が変わる瞬間というのは、テレビドラマや映画のようにドラスティックなものではなく、地道な日常の中に潜んでいる。
高校受験は君が変わるために与えられたチャンスだ。残された半年を駆け抜けるための「力」を○○教室の夏期集中特訓講習で手にしてみないか。
受講終了後、君たちが得るのは確かな学力と「学習意欲」という名の最強アイテムだ。それさえ獲得できれば恐いものは何もない。
君たちは受験のために勉強するのではない。勉強するために「受験」はあるのだ。
―この夏、生きる力の尻尾を掴め!
○○教室 塾長 ○○ ○○
A4版1枚の分量です。こうした添え文の後に、「夏期講習の実施要項」を伝えます。そうすることで塾側の夏期講習に対する意気込み・覚悟のようなものが伝わります。人は、「人の熱意」に応えようとする性質を持っています。せっかく素晴らしい講習を実施するのですから、塾生(保護者)に思いを伝え、多くの人に受講してもらいたいものです。
塾生獲得実践会(全国学習塾援護会)
森 智勝