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2022年8月号 小笠原先生の「明日の空(Tomorrow’s sky)に向かって」93

小笠原先生のコラム

小笠原先生 小笠原 隆政(おがさわら たかまさ) <プロフィール>
塾ミシガン高知 代表
・1985年 米国ミシガン大学の語学理論を用いた英語・英会話教室を開設
不変の語学理論(聴・話・読・書)の応用実践教育を展開
学習時間が自由に選べてキャンセル、変更が自由にできるチケット制を導入
・2004年 英語教室では大変成果があがり、多くの方に切望されていた総合塾に改編
パソコン教材も導入し、他の科目も語学理論に沿って立体的に応用指導
・2015年 教室創立30周年名大SKY連載コラム「明日の空に向かって」の執筆開始
教室が英語の四技能を測れるCBT検定の「GTEC」検定会場に認定される
大きな塾よりは自分の目の届く範囲での直接指導塾にこだわって経営している

 

八月です。暑いですね、暑中・残暑お見舞い申し上げます。今年は梅雨がとても早く上がって夏の水不足が心配されていましたが、七月には線状降水帯の豪雨が発生し、いつもの梅雨末期のような被害が日本各地で出ました。各地方の塾長はいかがだったでしょうか、まだまだ水の被害や台風被害が予想される今月ですが、どうか損害保険などにも入って、できる限りの備えはいたしましょう。コロナもやはり心配です。

先日ある塾長から

「自習室を完備したら週2回しか塾に来ない生徒が、朝から開いている時間に来て涼しい教室で宿題を毎日何時間もやって行くのです。少しでも生徒のためにと思って始めた事がなんか想定外の使用をされて、電気代も高くなりましたし、自分も朝からはきついです。小笠原先生の教室は休み中、自習室はどうされていますか?」

とのご質問を頂きました。

一時期、塾では「空調完備の無料学習室が自由に使えます!」というのが必須のように思われていました。とは言え、夏場に朝から開ければ、管理する塾長が夜遅くまで拘束されるのは始めた時から覚悟の上でしょう。そんな事を思いながら

「不本意に使用されていると感じるなら、何か具体的な対策を講じる事です。自習室の使用時間を変えるとか、有料にするとか、いっその事自習室を止めるとか。ちなみに私の教室には自習室がありません。塾では塾でしかできない学習のみをさせることで三密や塾漬けを避け、その後は自宅で自主的に勉強できるよう生徒を日ごろから鍛えています」

と伝えました。塾で面倒見れば切りが無いと思いませんか?今の電力料金の高騰は激しいですから、無料自習室をするには高すぎるでしょう。塾長も一日中教室にいたら、疲れも増すでしょうしマイナスになっていると思えば止める事です。

ここ数年コロナ禍で厳しい経営状態が続いています。ある塾長から以下のような相談メールも受け取りました。

「小笠原先生、毎月のコラムを拝見させていただいています。先生にはユーザー会でお目にかかり……(中略)……塾経営が厳しく今後どうしようかと考えています。プログラミングもやっていますが、私一人なのでみられる人数も少なく、なかなか収入アップにはつながりません。もう少し本腰を入れたらよいのかとも思いますが、塾がうまく行っていませんからなかなか本気でできないです。私は理系が専門でeduplus+を入れて全科目が指導できる塾になれました。eduplus+は小笠原先生が推進されているワンオペレーターで出来ますから、これ以上私に合った「一人でできる塾経営」はないと思ってやってきました。しかしコロナの影響をもろに受けて生徒はここ2年間で半減しました。今はプログラミングで何とかしのいでいますが、このままでは塾がダメになってしまうのではないかと、カンフル剤的に今はやりのAI教材をお試しで使ってみたのです。

自分としてはなかなか面白い教材だなと思いまして生徒にもやらせてみましたが、生徒によりましては、さかのぼっての学習をとても嫌がります。ただでさえ嫌がる「前にさかのぼっての学習」を各生徒にやらせていると、大変時間がかかることも分かったのです。そして……(中略)……お金もかかりますし極近所の塾もあちこち導入している教材です。何より、テスト対策の事もあり今学校で習っている内容を早く理解したいと言う生徒の気持ちを考えると……今回のご相談は、こんな時に先生なら生徒にどう対処されるだろうかという事です。……(後略)……」

時々メールをいただく塾長さんですが、やはり日々の経営の大変さがひしひしと伝わってきます。私はそのAI教材の内容を詳しく知らないのですが、全国で2500以上の教室にもう導入されているようで、全国の近隣の塾同士でその教材導入の宣伝をしているような話を、聞いたことはあります。

私は
「一般に拡がり過ぎて、逆に使いにくいのではないですか?経営が苦しいのにまた新たな慣れない教材を入れて、今のその悩みが解決できますか?多分その教材は今使っているeduplus+以上の教材費が必要でしょうから、成果が出るまでは今以上に苦しい経営が続くのではないでしょうか?」
という事を伝えたのでした。

ライバル教材を否定するような事は言うつもりはありませんが、私は今使っているeduplus+に惚れているのですね。

商売では「三惚れが大事だ」と言います。「仕事に惚れ、土地に惚れ、かみさんに惚れる」事を一般には言いますが、私は塾業では「一緒にやっている仲間に惚れ、生徒や保護者に惚れ、そして扱う教材に惚れる」と解釈しています。特に教材は100%全員に合う教材などはまずありませんがeduplus+は私が今まで使った中では、大変多くの生徒に有効で指導に役立ちます。高校受験でも長く全員合格を達成できているのが証拠です。また長く使っていますから毎月の支払いも消費税が増えたくらいですし、大体内容は各科目頭に入っていますから素早い対応もできます。生徒によっては特別講座の教本やまとめ本なども使用しています。これを言うと『小笠原先生はベテランだからですよ……』などと言われそうですが、毎年新入生が入ってくるとその生徒に対しての指導はZEROからのスタート。ベテランも新人もやることは一緒なのです。

最初の自習室の話や流行りの教材の話など、資金や体力に余裕があれば、有効と思える事や新しい教材を導入してもよいでしょう。しかし目的は生徒の成績を上げて目標の志望校に合格させることですから、無駄と思う事や続かない事は止めるべきです。私はやはり塾は、塾長自身の各生徒や保護者への直接的な人的貢献が一番必要で大切であると考えます。 

To be continued・・・・

 

(追伸)我々のEJT塾長会では8/14(日)に、名大SKYプログラミング教室の教材開発者である株式会社 サムライプラン代表 小笠原一麿氏をお呼びして、研修会および懇親会を広島県にて行います。ご興味のある方は以下の投稿BOXからご一報ください。

詳細をご連絡いたします。

投稿BOXはコチラ

名大SKYコラム担当 塾ミシガン高知 小笠原隆政

 

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