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小笠原 隆政(おがさわら たかまさ) <プロフィール> 塾ミシガン高知 代表 ・1985年 米国ミシガン大学の語学理論を用いた英語・英会話教室を開設 不変の語学理論(聴・話・読・書)の応用実践教育を展開 学習時間が自由に選べてキャンセル、変更が自由にできるチケット制を導入 ・2004年 英語教室では大変成果があがり、多くの方に切望されていた総合塾に改編 パソコン教材も導入し、他の科目も語学理論に沿って立体的に応用指導 ・2015年 教室創立30周年名大SKY連載コラム「明日の空に向かって」の執筆開始 教室が英語の四技能を測れるCBT検定の「GTEC」検定会場に認定される 大きな塾よりは自分の目の届く範囲での直接指導塾にこだわって経営している |
最近「働くという事」について最近よく考えます。今の私にとって「働くという事」=「仕事」は「塾を経営し教えるという事」ですが、小さい頃に夢見た職業などを思い返すと、その気持ちは年齢や環境と共にかなり変わってきました。それは皆さんも同じだと思います。それでなぜ塾を始めたのか、という事から思い出していました。
就職したのが流通業界で、自分としては将来ビジネスをしてみたいとの気持ちが強く商売の勉強を兼ねての就職でした。今考えると大変競争の激しい世界で、スーパーや小売店に食品を卸すわけですが、入ってくる商品の原価はほぼどこも同じですから、いかに営業マンの信用を小売店に売り込むかで、業績が決まるわけです。数年たつと会社は担当替えで新たな顧客を持たせるのですが、私は割と厳しい地区を持たされていましたので、業績はあまり芳しくありませんでした。普通だったらさっさと転勤して、新たな顧客に営業をするのですが、私はそうして「担当が頻繫に変わること」が業績が上がらない原因であると感じ『長く同じ地区を担当させてほしい』と上司に話したのでした。その上司も数年で変わりますから、営業はやりにくいですよね。しかし時間を掛けて人間関係を築いていけば、少しずつですが道は開けていったのです。当時から英語は勉強していまして、その勉強が一種の仕事のストレス解消になっていました。お得意先のお子さんが『英語が分からない』というので、数回個人的に見てあげた事がありました。そんな事も顧客との人間関係を築くのに役立ったのです。
30歳が見えてきて、このままでは10年後にあの上司と同じ人生が自分を待っているのだろうか?なんて想像し始めると急に嫌になり、いろいろ考えた上で塾業を選択したのです。一番の決め手は流通業のように商品を仕入れて、それを販売するものではないという事です。商品は塾長の「知識」ですから、利益率はかなり高くなり必ず儲かる!と信じて疑わなかったのです。しかし今思えば塾業界もそんなに甘くはなかったのでした。
より自信をつけるためにアメリカにも勉強しに行きました。授業や宿題が大変でしたが何とか修了して、英語塾を始めたのがこの世界に入った経緯です。在米中の研修で一緒だった商社上がりで10歳近く年上の学友に『帰国したら塾を始めようと思うが正直英語には全然自信が無い』と話すと、彼は笑って
『日本人で日本語を何不自由なく使っている俺たちが、日本語全てに自信があるかと聞かれても多分ないとしか俺も言えないだろう、でも日本語には不自由していない。まして英語は俺たちには外国語なんだから、分からなくて当たり前と思わないと、勉強なんかできないよ。だから今外国で学んで分かることを増やしている。塾で教えながら分かる事をさらに増やして行き、まず需要が多くすぐ役立つ実践的な基本から分かりやすく教える事だ』
と話してくれました。それから私は自分の発音の良さに磨きを掛けて学問的に勉強し、それを専門にしようと思ったのです。
移民の国アメリカでは発音法はすごく発達している英語教育法の一部で、フォニックなどが有名です。その中の一つがミシガン大のメソッドですが、母音発音の多い日本語を話す日本人には大変むずかしく、私はとりわけ小学生でもわかりやすいように、発音方法を改良研究してきました。
10/2に名大SKY始まって以来の教務研修が行われます。英語講師の初級発音講座を開きます。10年以上前にある出版社でかなりの人数を集めて開催され好評だった講座のリメイクです。それ以来塾での英語の環境はかなり変化しましたが、やはり我々日本人講師の英語発音に対するコンプレックスはあまり改善されていなくて、逆に授業時間の減少などにより、学校ではあまり指導されていない現実に、私は危機感を感じたのです。英語と日本語では発音方法が全く違いますから、はじめから上手に話すなどは無理な事です。しかし、私が学び研究改良した日本人のための発音方法を取り入れる事により、素晴らしく英語らしく聞こえるようになるのも事実です。同じことを教えてもできる生徒とできない生徒がいるのは、皆さん良くご存知でしょうから、まずは私の方法でチャレンジしてみてください。普通に日本語が話せる人なら必ず効果はあります。
学んだあとは実践ですね、お友達に聞いてもらったり、録音したりして今までの違いを体感されるのも良いでしょう。英語で音声だけの電話会話ができるようになれば、ZOOMなど楽勝です。
今回の英語の発音研修は、きっとご参加の先生の英語発音に対するコンプレックスを、改善してくれるでしょう。いや改善どころか自信が持てて、自分の塾の生徒にどんどんお話ししたくなると思います。それはどんどんやってください。生徒に教えれば教えるほど先生の発音は本物に近づきます。心から英語の発音の上手な塾の先生になってほしいと思います。
To be continued・・・・
(追伸)しばらくの間「投稿BOX」を「お悩み相談BOX」に変更したいとおもいます。今までも多少相談に乗ってきました。塾運営に関して個人的な欲張ったお悩み相談は困りますが、一般的なお悩み話を書いていただいて、発表するぐらいならこの場を借りてできると思います。「生徒が集まらない、運転資金が不足気味だ、生徒の学力が伸びない、講師がいう事を聞かない、自分の学力に不安だ…」など悩みを上げると切りが無いでしょう。私でも解決策は出せないかもしれませんが、文字にしてみて誰かに伝える事により、その塾長の悩みの心は軽くなるかもしれません。内容によってはもしかすると、全国様々な塾長からお知恵を拝借できるかもしれません。プライバシーは厳守いたします。匿名で結構で公表はしませんが、地方名と塾の規模くらいはお知らせください。
名大SKYコラム担当 塾ミシガン高知 小笠原隆政